99.Mar.Vol
86
ホームステップ通信 |
高齢者にやさしいトイレ --冬のことを考えて--
「高齢者向住宅」と間いて、まず思い浮かぶのは、手すり、段差解消ごそしてトイレではないでしょうか。トイレを改装する場合、洋式便器にしたり手すりを取り付けたりと移動をラクにするため、転倒を防ぐための改装はよく行われますが、もう一つ、冬場の室温との温度差に注意しなけれぱなりません。トイレの事故には、転倒の他に、急激な温度変化による体調不謝があるのです。今回は、冬場の温度差による体調不調を防ぐトイレの工夫について取り上げます。
もっとも手軽な暖房方法。ただし、その分のスペース確保が必要。改装する機会があるなら、トイレ全体を広めにしておいた方が、暖房器具のスペースだけでなく車いす生活になったと、き、手すりを付けようと思ったときなど、のちのち便利。また、コンセントも設置しておくとよい。パネルヒーターなどの簿型のものもあり。長時間つけておいても安全なものを選ぶことが大切。 |
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便座に温風機能が加えられたもの。暖房器具用のスペースもいらず、大がかりな工事もなしでトイレ内全体をほんわかと暖める。
明るさと暖房機能を兼ね備えた照明器具。夏場は、電球を交換すれぱ通常の照明器になる。 |
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トイレ内全体を均一に、安全に暖めることができる。床の中に暖房設備を敷くので邪魔になることもない。トイレの改装計画があるならそのときに。床暖房だけの工事は高くつく。 |
随分一般的になってきた座ってもヒヤッとした感じのない便座。取り入れるならまずここからという思いはあるが、トイレ内の温度を上げることはできない。 |
この他、足元温風を組み込む方法、暖房マットを敷く方法などがあります。便利なタイマー機能付きのものもありますので、うまく取り入れるとよいと思います。ただ、暖房に関しては、すぐにトイレ内を暖めることが難しいので、外出時以外は付けっぱなしにしておいた方がよいと思います。(もちろん、付けておいて安全なものに限りますが。)寝ている間はもったいないからと消しがちですが、加齢に従い夜トイレに起きることが多くなり、暖かい布団から寒いトイレに行ったときほど体調を崩しやすくなるため、夜間も付けておいた方が効果的です。
特に身体を冷やすのは、夜布団から起きてトイレに行くとき。暖房してなければトイレでも身体を冷やしますが、家族も寝静まっている時間ならトイレに行くまての部屋や廊下等も冷え冷えとしているので、身体が急激な温度変化に対応できず、方一の危険もありえます。このため、高齢者専用に寝室の横にトイレを設置し、すぐにトイレに行ける状況作りもよい方法です。あるメーカーからは、寝室に隣接する押入をそのままトイレルームにする商品も出ています。 |
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