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和室   O邸改装工事

一言で「和室」といってもその有様はさまざまです。量が敷いてあるだけの「和室」から、伝統様式に乗っ取って床の間の造作から壁、天井、建具にまでこだわった「和室」まで、こだわりようによって大きく違ってきます。
今回は、伝統的な和室の造作と、ちょっとこだわりをもった和室の改装例をご紹介します。

 和室の造作  --床の間--


現代の床の間は、形式にとらわれ過ぎず、暮らし方に合わせてさまざまな形が取られています。昔とは生活様式も異なるので、それぞれに合った形でよいと思いますが、その基本となる「本床」の形式を理解しておきましょう。

床の間を一部高くして畳を敷き、その前面に床框を付け、床柱を立て、上部に落とし掛けを取り付ける。床の間に向かって左側に採光する書院があり、右側に飾り棚(床脇)がある。この本床に対し、書院と飾り棚の位置が逆になっているものを逆床という。また、床の間を板にした場合は、板床といい、畳のかわりに板に畳表を張った薄べり(畳床はない)を使うこともある。現在は簿べりの方が多い。

 

 

書院・・・

床の間に自然光を取り入れるための窓。縁側の方へ張り出し出窓式になった付け書院と、障子を入れただけのの平書院がある。

床框・・・

黒檀、紫檀、黒柿、けやき、北山杉丸太などに漆を塗ったものがよく使われる。蝋色(黒色)の他に、唐木や杉の面皮を残して塗ったもの、赤松の赤身、または杉、檜の面皮などさまざま。

床柱・・・

正式の床では他の柱より1割程度太い角材を使う。略式で楓、黒柿、赤松等丸、皮付きの少しくだけた感じのものを使う。

床板・・・

板床の場合は、けやき、松、とちなどを使う。

長押・・・

本来は柱を継ぐものだったが、今は装飾的に用いられ、直線で構成されている和室を引き締める効果がある。柱の幅の8090%の幅のものを本なげし、6070%のものを半なげしと呼び、柱面から2cmほど出し、鴨居上端に取り付ける。取り付ける位置により、呼び方が異なる。

床脇・・・

床の間に隣接した飾り棚で、普通は違い棚の形でつくられ、棚の先に筆返しを取り付けるのが習慣。形は違い棚、天袋、地袋に変化をつけて多種多様。最近は新建材を利用した簡素な感じのものが多い。

落とし掛け・・・

桐、杉柾、皮付きの竹等が用いられる。

 

 O邸の和室改装 


○さんは、5階建てビルに4階、5階を住居スペースとして住んでみえます。5階にある座敷を今あるものはそのまま生かしてよりグレードの高い客間にしたいとのことで改装されました。

 

<床の聞>

床框・・・

今のものが気に入らない→けやきのものに(銘木屋さんで選ぶ)

床・・・

板床から薄べりに
--中紋黒
いぐさ表--白龍髭(りゅうびん)

手間としてはそれほどかかっていませんが、もともとあった窓も生かされ、これでかなりの格式高いものになりました。

joho@homestep.com