99.Apr.Vol
87
ホームステップ通信 |
高齢者にやさしい浴室
入浴は、毎日していることですが、身体機能の衰えた方には日常生活の中でもっとも負担のかかることです。動作の負担に加えて、浴室は段差が多く石鹸を使ったり水を流したりするため、滑ったり転んだりしやすく、急激な温度差に身体が対応しきれず体調が悪くなったりすることもあります。
今回は、少しでも安全に快適に入浴できるよう、浴室の工夫をまとめてみました。
スペースで許すのなら、まず十分な広さを取ることが大切です。1820×1820mm(畳2帖分)あれば理想的ですが、1650×1650mm以上あれば自立入浴には十分といえます。といっても、介助が必要な場合は別として、広すぎても移動距離が長くなりかえって使いにくいということもあります。 |
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[今ある浴室を生かす場合] |
[改装する場合]
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手すりの太さや位置などは、対象者にあったものを使いやすいところに必要に応じて取り付け、手すりだらけになってしまわないようポイントを押さえて付けるようにしましょう。浴室内で必要と思われる箇所は、図のようなところです。 |
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室温との急激な変化による負担を軽減するため、入浴する前に浴室を暖めるようにします。もっとも手軽で安全な方法は、換気扇併用の暖房機器を用いることです。浴室乾燥兼用の温風暖房を取り入れれば、湿気やカビを防ぐことができ一石二鳥です。暖房機器が設置できなければ、あらかじめ風呂ふたを取り床にお湯をかけておきましょう。 |
浴室は、湯気で煙ったり普段眼鏡をかけている人も外して入るため、細かい部分が見えにくくなっています。段差部分や手すりなどは、識別しやすいよう色を変えたりして配色にも気を配るとよいと思います。さまざまな入浴補助具も出ていますので、身体機能に応じて必要ならそれらのものを検討されてもよいでしょう。